ディンプルキーをなくした・開かない時の開け方は？費用やピッキングのやり方

ディンプルキーのピッキングのやり方

鍵を開ける手法のひとつが「ピッキング」です。

道具があれば開錠できるので、ディンプルキーを紛失した際の鍵開け方法の候補に挙がります。

鍵穴にテンションレンチとピックを差し込んで開ける

鍵穴にテンションレンチやピックと呼ばれる細い工具を差し込み、内部の機構を操作するのがピッキングです。

鍵穴の中には小さなピンが何本も垂直に飛び出しています。鍵を差し込むと、これら全てのピンが正しい深さまで押し下げられて鍵が回ります。テンションレンチとピックを使い、鍵が入っているかのようにピンを操作するのがピッキングの仕組みです。

実際のピッキングの方法は以下の通りです。

ステップ① テンションレンチとピックを用意する

ピッキングのために用意するのは、テンションレンチとピックです。

どちらも15センチ程度の細長い金具ですが、クリップやヘアピン・安全ピンでも代用できます。写真のように先端を少し曲げて、鍵穴に差し込んでも曲がらないよう加工しておきましょう。

ステップ② 鍵穴内部のピンを揃えていく

道具の用意ができたら、ピックを差し込んでピンを揃えています。

正しい形にピンが押し込まれるとわずかな手応えがあります。1つのピンを揃えたら、そのピンが戻らないようにテンションレンチで圧を加えながら、次のピンを揃えていきます。

ステップ③ すべてのピンが揃ったら鍵が回る

全部のピンを正しく押し込むことができたらピッキングは完了です。

少しでも振動があるとピンが戻ってしまうので、そのまま慎重に鍵を回しましょう。

耐性があるディンプルキーはプロでもピッキングできないことがある

ディンプルキーの鍵穴には、一般的に20本前後のピンがあると言われています。また、ピッキング耐性を高める「アンチピッキングピン」を搭載したディンプルキーも販売されています。

たとえプロの鍵屋であっても、防犯性の高いディンプルキーをピッキングするのは至難の業。ご自身でピッキングするのは不可能なので、お困りの際はレスキューインフォへご相談下さい。

ディンプルキーが壊れて開かない時の対処法

次に、ディンプルキーが何らかの理由で壊れ、開かない時の対処法をご紹介します。

滑りの悪い鍵やディンプルキーの鍵穴に潤滑スプレーを使用する

ディンプルキーと鍵穴はいずれも金属なので、潤滑成分が減少すると鍵が開けにくくなります。

この時には市販の潤滑スプレーを吹きかければ、鍵がなめらかに開けられます。

鍵用の潤滑スプレーをホームセンターなどで購入する

鍵に使える潤滑スプレーは、ホームセンターや鍵屋の店舗で販売されています。また、ネットショップでも手軽に購入できます。

なお、潤滑スプレーの中には鍵に対応していない商品もあります。購入時には用途の表示を確かめ、鍵に使用しても問題ないかチェックしましょう。

潤滑スプレーを鍵穴に1秒ほど噴射する

潤滑スプレーを鍵穴に吹きかけ、潤滑成分をまんべんなく行き渡らせます。

大量に吹きかけると成分が鍵穴の中で固まる恐れがあります。そのため、吹きかけるのは1秒ほどにとどめ、そのあとは鍵を抜き差しして馴染ませましょう。

【注意】鍵用の潤滑スプレーでないと鍵穴を詰まらせる危険がある

鍵用でない潤滑スプレーを使用すると、鍵穴が詰まる危険があります。

こうなるとスプレーでは解決できず、鍵屋にシリンダーを分解・洗浄してもらう必要が生じます。

パッケージの成分表示や対応アイテムの表示をチェックし、鍵に対応していない潤滑スプレーは使用しないようにしましょう。

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ディンプルキーを業者が開ける方法

次に、ディンプルキーの鍵開け依頼を受けた業者が開ける方法についてもご紹介します。

ドアスコープからサムターンを操作して開ける

ディンプルキーは防犯性が高く、簡単には開けることはできません。

しかし、ドアスコープ（覗き穴）を外してサムターンを操作する手法で対応すればディンプルキーでも簡単に開けられる場合があります。

ドアスコープを外して細長い棒を差し込む

まず、ドアスコープを外します。

回すだけで簡単に取れるタイプのものや、ペンチで引き抜くタイプなど、ドアスコープの外し方はさまざま。

外側から外せない場合には、千枚通しやドリルで壊す必要があります。

細長い棒を操作してサムターンを回転させると鍵が開く

ドアスコープを外したら、L字型の細長い棒をドアの内側に差し込みます。そして、この棒をサムターン部分にひっかけて90度回せば鍵が開きます。

なお、最新式のサムターンの中には、指でつままないと回せないタイプもあります。鍵屋ではこのタイプに対応するため、先端にアームが付いた細長い棒を使用することがあります。

ドアに小さい穴を開けるかドアの郵便受けを活用することもある

ドアスコープがないドアの場合には、鍵穴の近くに小さな穴を開けて同様の作業をすることがあります。

また、郵便受けがドアにある時は、投函口から細長い棒を差し込むこともあります。

いずれも困難な時には、他の場所から出入りできないかを検討するか、鍵を破壊することで解決します。

ドリルやバールで鍵を破壊して開ける

ドアスコープがない場合やドアに穴を開けられない場合も考えられます。

そのときは最終手段として、ドリルやバールで鍵を破壊して開けることになります。

錠前にドリルを当てて鍵穴を破壊する

使用するのは、ホームセンターでも購入できるようなドリルです。

鍵穴へ垂直にドリルを当ててスイッチを入れ、シリンダーを破壊すれば鍵が開きます。作業時には破片が飛ぶので、ゴーグルや軍手を装着し、周囲の安全にも配慮しましょう。

ドアの隙間にバールを差し込みテコの原理でドアを開ける

もしもドアに隙間があれば、そこにバールを差し込んでこじ開けます。かんぬきが見えたら、その部分もバールで破壊すればドアが開けられます。

作業後にはドアを交換する必要が生じるので、あくまでも最終手段の開錠方法です。また、鍵穴破壊と同様にケガの恐れがあるので、安全第一で作業しましょう。

ディンプルキーを業者が開ける時の費用

ここからは、ディンプルキーを業者が開ける時に掛かる費用についてご紹介します。

ディンプルキーの開錠費用の目安は数万円から

ディンプルキーの鍵開け費用は安い場合だと1万円から、高額な場合には5万円ほどが目安になります。

鍵が製造された年やメーカー・開錠方法・開けやすさなど、さまざまな条件が加味されて費用が決まるため、詳細は業者に問い合わせるのが確実です。

開錠後にディンプルキーのシリンダーの交換を行う場合には部品代が掛かる

ディンプルキーを紛失した場合には、鍵開け後にシリンダー交換を行うのがオススメです。

シリンダーを取り換えると前の鍵での開錠が不可能になり、安全性が保たれます。

シリンダーの交換を行う場合には部品代が、出張時にはスタッフの出張料金が加わるので、この点もあらかじめ確認しておくと安心です。

ディンプルキーの鍵開けは自分でもできるか？

ここまで、ディンプルキーのさまざまな鍵開け方法をご紹介しました。

これらは鍵屋さんなくても実践できるのでしょうか？

ディンプルキーの調子が悪いときは自分で調整すれば開くケースがある

ディンプルキーの調子が悪いだけならば、自分で元に戻せることがあります。

鍵穴のホコリやゴミを取り除いたり、潤滑スプレーを使用したりして様子を見ましょう。

ディンプルキーを自力でピッキングするのはほぼ不可能

ピッキングの方法は上で紹介しましたが、一般的なディンプルキーを鍵屋さん以外がピッキングで開けるのは難しいと考えた方がよいでしょう。

ディンプルキーを破壊して開けるには専用の道具や知識が必要

防犯性能の高いディンプルキーの中には、破壊に耐性を持つドリリング防止板が設けられていることがあります。そのため、ドリルで破壊することすらも簡単には行きません。

鍵を破壊するためには、その鍵の機能性や弱点についても熟知しておく必要があります。専用の道具も必要となれば、ご自身での破壊は難しく、鍵屋のスタッフに相談するのが賢明です。

ディンプルキーの開け方をご紹介しました。防犯性が高い分、開けるのも難しいため、ご自身での鍵開けは現実的ではありません。是非私たち鍵屋にご依頼ください！

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