ディンプルキーが回らない時の原因や修理方法・NG行為を鍵のプロが分析
ディンプルキーが回らなくなる事態は意外と頻繁にあるものです。本コラムでは、その原因と対処法を紹介します。
また2次被害を防ぐためにも、ディンプルキーが回らない時にしてはいけないNG行為についても解説いたします。
この記事の概要
解説する解決方法
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手段
鍵の洗浄、鍵穴の洗浄、鍵屋に依頼など
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目次
ディンプルキーが回らない緊急事態を自分で解決する方法について
鍵の表面に凹み加工があるディンプルキーは、多くの住宅や金庫などに採用されるタイプの鍵です。機械を使わない複製・外部からの不正な開錠が難しいため、防犯性や安全性の高さが評価されています。
一方で、ディンプルキーが回らなくなった時、その解決が難しいのも事実。そこでこちらのページでは、ディンプルキーが回らない時の原因や解決方法を、鍵の専門家が解説します。また、自分では解決できない場合の対処法・原因が分からない場合のベストな処置についても、あわせてご紹介します。
【原因別】ディンプルキーが回らない時の解決方法
対処法 | イメージ | 特徴 | 使う道具 |
---|---|---|---|
差し込む鍵の確認 | 差し込む鍵を間違えていることがあります。 | ・なし |
|
鍵をきれいにする | ディンプルキーに汚れが溜まっている時に効果的です。 | ・歯ブラシ ・乾いた布 ・えんぴつ |
|
新しい鍵を使う | ディンプルキーは少しの破損で使えなくなります。 | ・合鍵 |
|
鍵穴をきれいにする | 鍵穴に原因がある時の解決策です。 | ・エアダスター ・鍵用潤滑剤 |
|
鍵をしっかり差し込む | 奥まで鍵を差し込めていない場合はディンプルキーは回りません。 | ・なし |
|
新しい錠前にする | 10年以上たった錠前は変え時です。 | ・新しい錠前 |
それでは早速、ディンプルキーが回らない時の対処法を原因ごとにご紹介します。
原因① 差し込むディンプルキーを間違えている
ディンプルキーが回せない原因として、差し込む鍵を取り違えている場合があります。鍵山がギザギザとしているシリンダーキーと比べると、形状の違いを見分けにくいため、鍵の間違いが発生しやすいようです。
解決方法:メーカーやディンプルキーの鍵番号などを確認する
純正のディンプルキーであれば、鍵のメーカーは鍵の持ち手部分に記載されています。また、錠前には鍵のメーカーが刻印されているので、それぞれに違いがないか確認しましょう。 さらに、今後の鍵の取り間違いを避けるために、ディンプルキーにキーホルダーを取り付けておくのも効果的。一目で鍵を見分けられると安心です。
一覧へ戻る原因② 鍵のディンプル(凹み部分)に汚れが溜まっている
ディンプルキーには、鍵山にギザギザとした刻み加工があるのではなく、表面に凹み加工が施されています。
この凹み部分に砂やホコリなどが溜まっていると、ディンプルキーが回らない原因になるので注意しましょう。
解決方法:乾いた布や歯ブラシでディンプルキーを掃除する
まずは布や歯ブラシでディンプルキーの汚れをかきだしましょう。鍵の凹み部分を重点的に掃除するのがポイントです。
また、ディンプルキーに水分が付着すると錆の原因にもなるので、濡れた時はすぐにふき取りましょう。
解決方法:ディンプルキーの表面に鉛筆の黒鉛を付ける
鍵のディンプル部分に付着した汚れを拭き取ったら、表面に潤滑スプレーを塗布すると、ディンプルキーの滑りが良くなります。
また、潤滑スプレーが無い場合には、鉛筆の成分である黒鉛でも代用することが可能です。やり方は、鍵の表面や溝などに、まんべんなく鉛筆の黒鉛を塗り付けるだけです。たったこれだけで、回しにくかったディンプルキーが元通りになる場合があります。
一覧へ戻る原因③ 鍵が欠けたり曲がったりしている
ディンプルキーが回らない原因として、先端が欠けたり、少し曲がったりしていることが考えられます。
この場合、鍵穴が正しい鍵だと認識できないため、ディンプルキーを差し込んでも上手く回せないと考えられます。ディンプルキーは基本的な性能に優れている商品が多いため、少しの破損でも開かないことがあります。
解決方法:新しいディンプルキーやスペアキーを使う
欠けたり曲がったりした鍵は使用せず、新しい鍵やスペアキーを使うことが唯一の解決策です。
出張鍵屋ならすぐに鍵穴からディンプルキーを作成できます。他にもメーカーに相談すれば、純正キーを作成してもらうことができます。
しかし、依頼から完成品の到着まで数週間~数か月かかったりするケースがあります。
一覧へ戻る原因④ ディンプルキーの鍵穴に砂やホコリが溜まっている
鍵穴に砂やホコリが溜まっていることも、ディンプルキーが回らない原因になります。
砂やホコリによって鍵が奥まで差し込めなかったり、操作を妨げたりすることがあります。
解決方法:鍵穴内部のゴミを掃除機やエアダスターで取り除く
掃除機のノズルを鍵穴に近付けて、内部のゴミを吸い出すことが最も簡単な解決方法です。また掃除機が使えない場合、エアダスターで代用することが可能です。
ディンプルキーの鍵穴内部のゴミを掻き出そうと、針金や爪楊枝を差し込むのはゴミを奥に押し込んだり、鍵穴の内側の部品を傷つけたりして、トラブルをより深刻なものにする事があります。
解決方法:鍵専用の潤滑スプレーを使う
鍵穴内部のゴミを取り除いたら、鍵専用の潤滑スプレーを鍵穴内部に吹きかけると、ディンプルキーの抜き差しがスムーズになるのでオススメです。
なお、潤滑スプレーの中には鍵に使えない商品もあるので注意が必要です。鍵に使えない潤滑スプレーをかけてしまうと、鍵穴の中でホコリやゴミが固まり、ディンプルキーが回しにくいトラブルを助長するリスクがあります。
一覧へ戻る原因⑤ 鍵穴の奥までディンプルキーを差し込めていない
ディンプルキーが回らない原因として、そもそも鍵を奥まできちんと差し込めていない可能性があります。
解決方法:きちんと奥までディンプルキーを差し込む
中途半端な深さにディンプルキーを差し込むだけでは、鍵を回すことはできません。
目視で奥まできちんとディンプルキーを差し込むだけで、普段通りに回せることがあります。
解決方法:鍵穴内部のゴミを掃除機やエアダスターで取り除く
鍵穴の中にある砂やホコリなどのゴミが妨げとなり、鍵が奥まで差し込めなくなっている場合もあります。
このような時には、ゴミを掃除機やエアダスターで取り除いて対処しましょう。それでも解決しない場合は、シリンダーを分解する必要があるので鍵屋に相談しましょう。
一覧へ戻る原因⑥ ディンプルキーの錠前が劣化や故障している
錠前が劣化や故障している場合にも、ディンプルキーが回せなくなることがあります。
また、錠前メーカーの団体である日本ロック工業会は「錠の耐用年数についてのガイドライン」の中で、電気錠を除いた一般的な鍵の耐用年数を10年と定めています。
裏を返せば、10年以上使っている鍵は、劣化・故障が発生しても不自然ではないのです。
解決方法:新しい錠前に交換する
錠前全体に劣化・故障が見られるときには、新しい商品に取り換えるのがオススメです。特に、10年以上前から使っている鍵は、防犯面でも最新商品に劣っていることがあるので、鍵の交換がメーカーからも推奨されています。
なお、レスキューインフォでも鍵の交換を実施しています。鍵のメーカーや商品の特徴・予算など、さまざまな条件から、ベストな鍵のご提案・設置までワンストップで承ります。
一覧へ戻るディンプルキーが回らない原因が不明な場合の対処法
ここまで、ディンプルキーが回らない時の対処法について原因別にご紹介しました。
では、鍵が回らない原因が分からない場合には、どのように対処すればよいでしょうか?
玄関の場合は一時的に他の出入り口を使う
玄関のディンプルキーが回らずに困っている場合には、窓や勝手口の鍵を開けて出入りする手段があります。なお、雨どいや手すりをよじ登ってベランダに侵入するのは、転落のリスクや、通報される危険性もあるので絶対にやめましょう。
玄関の鍵の調子が悪い時には、いざという事態に備えて、他の出入り口の鍵を携帯しておくと安心です。
ディンプルキーをピッキングで開けることは困難
鍵穴内部のピンを操作して、鍵を差し込んだかのように開錠するのが「ピッキング」という手法です。
ピッキングは、シリンダーキーなどギザギザした鍵に対しては有効ですが、鍵表面に凹みがあるディンプルキーには困難な手法です。
出張鍵屋ならディンプルキーの開錠や修理交換を相談できる
ディンプルキーが回せず、その原因がハッキリしないときには、レスキューインフォへご相談ください。出張鍵屋は鍵の専門家なので、多くの経験や専門知識を踏まえて、トラブルの原因を究明してくれます。
また、ディンプルキーを紛失した時の鍵開け・修理や交換作業も多数実施しているので、要望を伝えるだけで作業を任せられる安心感があります。
ディンプルキーが回らないトラブルを悪化させる行為とは?
NG行為 | イメージ | 説明 | 対処法 |
---|---|---|---|
無理やり回す | 無理に回すと鍵が折れたり鍵穴を傷つけるリスクがあります。 | ・鍵穴クリーニング |
|
鍵用以外の潤滑剤を使う | 鍵用以外の潤滑剤を使うと鍵穴内部の汚れが固まってしまう。 | ・鍵用潤滑剤を使う |
|
鍵穴に異物を差し込む | ディンプルキーの鍵穴は非常に繊細なため傷がつくと交換が必要になる。 | ・鍵屋に依頼する ・掃除機を使用する |
非常に厄介なディンプルキーが回らないトラブル。このトラブルを自力で解決しようとして、さらに問題を悪化させてしまうケースもあります。
ここでは、鍵が回らない時にトラブルを悪化させるNG行為を3つご紹介します。
無理やりディンプルキーを回す
ディンプルキーが硬い時に、力ずくで鍵を回そうとするのは非常に危険です。鍵が折れてしまったり、鍵穴の中を傷付けてしまったりするリスクが伴うためです。
もしも、少しでも鍵の硬さを感じた時には、無理に鍵を回すのは止めておきましょう。そして、鍵穴をクリーニングしたり潤滑スプレーを差したりするか、出張鍵屋など専門家にメンテナンスを任せるのがオススメです。
一覧へ戻る鍵用ではない潤滑スプレーを使う
汎用潤滑スプレーは鍵穴の中に残ってしまったり、ホコリなどと結びついて固まったりする恐れがあります。
潤滑スプレーの説明書やパッケージには、どんなものに使用できるかが記載されています。必ずこれらの説明を確認し、鍵に適しているかどうかをチェックしてから吹きかけるようにしましょう。
一覧へ戻るディンプルキーの鍵穴に爪楊枝やヘアピンなどを差し込む
鍵穴のゴミを取り除いたり、ピッキングしたりするために、爪楊枝やヘアピンなど細長いものを差し込む行為も大変危険です。
特にディンプルキーの鍵穴は、数ミリ単位の鍵の凹みの違いを読み取る部分。非常に繊細なため、小さな傷が付いただけでも致命傷となります。ディンプルキーの鍵穴内にゴミがあるときには、掃除機やエアダスターを使用するにとどめておき、自分で解決するのが難しかったら鍵屋のスタッフに相談しましょう。
一覧へ戻る回らないディンプルキーのメンテナンスに挑戦
最後に、回らないディンプルキーのメンテナンスの様子をご紹介します。
なお、メンテナンスに使用したのは、都内某所の雑居ビルにある古くなったディンプルキーです。数年前から調子が悪く、先週ついに回らなくなってしまった鍵でした。
①鍵穴のゴミを掃除機やエアダスターで取り除く
まず、鍵穴の中に溜まっているであろうゴミを狙ってエアダスターを吹きかけます。
エアダスターを軽く吹きかけるだけで、細かなチリが飛び差し込みはスムーズになりましたが、ディンプルキーを差し込んでも依然として回らない状態のままでした。
②鍵の汚れを落として鉛筆の黒鉛を付ける
次に、ディンプルキー表面に付着した汚れを、乾いた布で傷をつけない様に取り除いていきます。ディンプルキーの汚れを落とした後は、鉛筆で鍵の表面に黒鉛を付けていきます。
軽く黒鉛を付けた後に鍵を差し込むと、硬さはありますが回らなかった鍵が回るようになりました。
③鍵穴に鍵専用の潤滑スプレーを使う
ディンプルキーに鉛筆の黒鉛を付けるだけで、鍵は無事に回せるようになりましたが、仕上げに潤滑スプレーを使用します。
鍵専用の潤滑スプレーを選び、鍵穴に1秒程度吹きかけます。たったこれだけで、黒鉛を鍵に塗った時よりも更に鍵が回しやすくなり、引っかかる感触もなくなりました。
ディンプルキーが回せない時には、ご自身でメンテナンスができることをご紹介しました。しかし、このような作業をしても回せないケースが少なくありません。
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