差し込んだ鍵が回らない時の修理方法や故障の原因・解決方法
玄関や勝手口・金庫などの鍵は、ある日突然回らなくなるトラブルが報告されています。
その原因はさまざまですが、鍵を力ずくで回そうとすると、錠前を壊したり鍵が曲がったりする恐れも。そのため、正しい方法で鍵を修理することが重要です。
こちらのページでは、鍵が回らない時の原因や解決方法について、鍵の専門家がプロの視点からご案内。また、自分ではどうしても解決できない時の対処法や修理時のNG行為についてもご紹介しています。
目次
鍵が回らない時の対処法とは?
早速ですが、鍵が回らない時にはどのように対処すればよいでしょうか?自分で解決するためには、以下の4つのような方法が挙げられます。
鍵穴のゴミを取り除く
まず、鍵穴に入っているゴミを取り除くことです。
「鍵穴を見たけれど、特にゴミなんか入っていなさそう・・・」という声もありますが、目には見えないような細かいチリや、鍵穴の奥深くに入ったホコリが開錠を妨げている場合もあるのです。
掃除機のノズルをかざすように鍵穴へあてて、内部のゴミを除去します。掃除機以外にも、精密機械の掃除に用いられるエアダスターでも問題ありません。掃除機が持ち出せない環境では、エアダスターで代用しましょう。
鍵表面の汚れを取り除く
鍵穴を掃除するのと合わせて、鍵表面にも汚れがないかを確認しましょう。きれいな布で鍵の汚れを拭き取り、鍵専用の潤滑スプレーを吹きかけておくのがオススメです。
また、鍵専用の潤滑スプレーが手元にない場合には、鉛筆の芯に含まれる黒鉛の成分でも代用することができます。鍵の表面を鉛筆でなぞり、付着しすぎた黒鉛をティッシュなどで拭えば、鍵の滑りが改善されたことを実感できます。
スペアキーを差し込んでみる
ご使用中の鍵が合鍵の場合、真鍮という素材で作られているのが一般的です。
金属の中では比較的柔らかい真鍮は、鍵の形に加工しやすいというメリットがある一方、長く使っていると表面が摩耗しやすいというデメリットがあるのです。表面が削れた合鍵は、本来の鍵の形から変わってしまい、うまく回らなくなることがあります。
そこで、一度スペアキーや元鍵などの純正キーを差し込んでみましょう。これが問題なく使用できれば、今まで使っていた合鍵に回らない原因があると分かります。この場合、これからは純正キーを使うようにするか、合鍵をもう一度作り直すことでトラブルが解決します。
鍵を破壊する
鍵が回らず、ドアを開けられなくて困っている場合、最終的には鍵を破壊してドアを開ける方法が考えられます。
この方法には注意点が2つあります。
第一に、鍵を破壊する際にはケガに注意することです。シャッターや倉庫などの簡易的な鍵であれば、バールなどを使って力を掛ければ壊すことができますが、玄関や金庫などの頑丈な鍵はなかなか壊すことができません。無理に力を掛けると思わぬケガをする恐れがあるので、壊せなさそうだと思ったら鍵屋のプロに相談した方がよいでしょう。
第二に、鍵を破壊した場合には修理費用が掛かるということです。壊れた鍵を取り外して、新しい鍵を設置するのなら、初めから業者に鍵交換を相談する方が安く済む場合もあるでしょう。最近では短時間で現場に駆け付ける鍵屋も増えているので、鍵が回らないときは、慌てて壊そうとしない方が賢明です。
鍵が回らないトラブルを自分で解決できない時には?
鍵が回らないトラブルの解決方法について、4つの方法に分けてご紹介しました。では、自分では鍵を元通りに戻せなさそうな場合にはどうすればよいでしょうか?
鍵が回らないなら、どんな鍵でも鍵屋さんに相談できる
結論から言えば、レスキューインフォへ相談するのがおすすめです。
あらゆる選択肢の中からベストな方法で、回らない鍵を修理してくれます。また、修理ができないほど鍵が劣化していたり、現在は部品が廃盤になっていたりした場合には、新しい鍵への交換も相談できます。
レスキューインフォでは、回らない鍵の修理・交換作業を24時間体制で承っています。これ以外の鍵のトラブルについても、フリーダイヤルでいつでもご相談ください。
鍵が回らない理由とは?原因と解決方法
ここからは、鍵が回らない理由について鍵の専門家が分析していきます。また、それぞれの原因や解決方法についてもご紹介します。
①鍵に異物やサビが付いている
油汚れやホコリなどのゴミが鍵の表面に付着していると、鍵が回らなくなるケースがあります。
サビが付いた鍵も同様で、鍵穴に差し込めなかったり、鍵が回らなくなったりすることがあります。
原因:鍵のお手入れ不足
毎日使用している鍵は、知らず知らずのうちに汚れていくもの。定期的に手入れをしないと、汚れが溜まっていってしまうのです。
特に、ディスクシリンダーキーやピンシリンダーキーでは鍵山の溝に、ウェーブキーやディンプルキーでは表面のくぼみに、汚れが溜まってしまいがちです。
解決方法:乾いた布やサビ取り剤で鍵をきれいにする
鍵をきれいにするためには、乾いた布や使い古した歯ブラシなどを使います。鍵の表面がサビつく恐れもあるので、水で濡らして掃除するのは避けましょう。
また、鍵にも使用できるサビ取り剤が発売されているので、これを吹きかけておくと安心です。
②10年以上使用し、鍵が古くなっている
錠前を製造するメーカーの団体である日本ロック工業会は、鍵の耐用年数を10年(電気錠については7年)と定めています。(参照:錠の耐用年数についてのガイドライン)
10年を超えた鍵は製品の寿命を迎えているので、異常がなくても交換することを推奨しています。
原因:経年劣化
古くなっている鍵が回らなくなるのは、経年劣化が原因だと言えます。
毎日繰り返し使う鍵は、きちんとメンテナンスや点検をしていたとしても、10年を超えれば劣化するもの。大きなトラブルがなかったとしても、早目に交換することがオススメです。
解決方法:新しい鍵に交換する
経年劣化していて回らなくなった鍵は、全体を新しい商品に交換するのがオススメです。たとえ一部の部品を替えてトラブルが解決できたとしても、すぐに他のパーツが壊れる恐れがあるからです。
日進月歩の進化を続けている鍵は、機能性・デザイン性・使い勝手などあらゆる面で、10年前より飛躍的に成長しています。もちろん防犯性も高くなっているので、セキュリティ強化という意味でも鍵交換がオススメです。
③鍵が折れている・曲がっている
鍵が折れたり曲がったりしているときにも、鍵を回すことができなくなります。
原因:鍵に強い衝撃が加わった
ポケットに鍵を入れた状態で椅子に座ったり、重たい荷物の下に鍵を置いていたりすると、鍵が変形することがあります。
また、鍵を高い所から落としたり、鍵穴に差した状態で力を加えると、先端が欠けたり折れたりすることもあります。鍵に強い力を掛けないよう大切に扱い、キーケースなどで保護して持ち運ぶようにしましょう。
解決方法:合鍵を作成する
変形している鍵はそのまま使うことができないので、新たに合鍵を作る必要があります。
なお、曲がった鍵をその方向と逆に曲げてみたり、折れた鍵を接着剤でくっつけたりして使うのは大変危険!鍵穴から鍵が抜けなくなり、修理がさらに大がかりになるリスクがあります。
④鍵穴に砂やホコリが詰まっている
開錠・施錠ができない原因が、鍵ではなく鍵穴に砂やホコリが詰まっているせいの場合もあります。
原因:鍵が屋外にある時間が長い・掃除不足
ガレージや物置・雨戸などの鍵は、24時間いつでも風雨にさらされているため、砂ぼこりが溜まりやすいのは当然です。これらの鍵は比較的小さいこともあり、少しのゴミが原因で回らなくなることもよくあります。
また、鍵を使用する頻度が少ないこと、掃除が行き届いていないことも原因につながります。使用頻度が多くない場合でも、週に1度を目安にして点検・お手入れするのがオススメです。
解決方法:掃除機・エアダスターで砂やホコリを取り除く
もしも鍵穴に砂ぼこりが詰まってしまったら、掃除機のノズルを鍵穴にかざすようにして、内部のゴミを除去しましょう。
コードが届かず掃除機が使えない場合には、電子機器のホコリを吹き飛ばすエアダスターでも代用することができます。
⑤ドアや鍵のネジが緩んでいる
鍵を何気なく使用しているうちに、ドアや鍵のネジがゆるんだり、グラグラと揺れたりしていることもあります。
多くの場合、このままでも問題なく鍵を開け閉めできますが、稀にドアノブが動かせなくなったり、鍵が回らなくなったりすることがあります。
原因:メンテナンス不足
ドアや鍵のネジは、普通に使っていても徐々に緩んでしまうことがあります。
ドアや鍵は定期的に点検して、もしも使用時に違和感があったらネジに緩みがないかをチェックしておきましょう。
解決方法:ドライバーでネジを締め直す
ネジが緩んでいて鍵が回らなくなったら、ドライバーでネジを締め直しましょう。この時、あまりきつく締めてしまうと、ネジの溝がつぶれてしまう恐れがあります。適度な力でネジを締めれば、鍵が元通りに回せるようになります。
⑥錠前が壊れている
錠前自体が故障していると、鍵が回らないほか、施錠・開錠がスムーズにできなくなることがあります。
原因:耐用年数を超えている・強い衝撃を受けた
先ほど紹介した通り、日本ロック工業会では鍵の耐用年数を10年と定めています。
10年を超えて使用していると、鍵が壊れる日もそう遠くありません。また、鍵や錠前は金属製で頑丈ですが、内部の構造は非常にデリケート。強い衝撃が与えられると内側が壊れて、鍵が回らなくなってしまいます。
解決方法:修理する・新しい錠前に交換する
内部が破損した錠前については、部品交換で元通りに戻せることがあります。また、鍵が耐用年数を超えていたり、部品交換が困難だったりする場合には、錠前ごと新しいものに取り換える必要があります。
使っている鍵・トラブルを起こしている箇所によっても解決方法が異なるので、この場合には出張鍵屋のスタッフに相談しましょう。
鍵が回らない時のNG行為とは?
最後に、鍵が回らないトラブルに直面した時、やってはいけない行為をご紹介します。
鍵を力づくで回そうとする
1つ目のNG行為は、回らない鍵を無理やり回そうとすることです。
力ずくで鍵を回そうとすると、鍵が根元で折れ、先端部分が鍵穴から取り出せなくなる恐れがあります。こうなると、シリンダーを取り外して先端部分を除去しなければならず、大掛かりな作業が必要となります。
もちろん、折れた鍵で指を切ったり、反動でケガをしたりするリスクも生まれます。鍵を無理やり回そうとせず、鍵屋のスタッフに対応を依頼しましょう。
爪楊枝・針金・ヘアピンなどを闇雲に鍵穴へ差し込む
回らなくなった鍵穴に、爪楊枝や針金・ヘアピンなどの細いものを差し込むのも厳禁です。
これも先ほどと同様に、鍵穴の中で折れると、取り出せなくなる恐れがあるからです。
また、鍵穴をピッキングして開けようとする方もいらっしゃいますが、最近の鍵は防犯性能も高まっています。闇雲にガチャガチャと操作して開けられる可能性はかなり低いため、リスクを冒して鍵を開けようとせず、鍵屋に相談するのが賢明です。
鍵に対応していない潤滑油・シリコンスプレーを使用する
ツヤ出しや滑りをよくするために使われる潤滑油・シリコンスプレーですが、鍵に対応していないものを使用すると、鍵穴の内部で固まる危険があります。一時的に滑りが良くなる可能性もありますが、このまま使っていると鍵の故障につながります。
潤滑スプレーを使う際には、鍵・鍵穴に対応しているかを確認しましょう。ホームセンターやネットショップでは、鍵メーカーが出している商品も販売されています。