合鍵の作成の所要時間を、鍵のタイプや手段ごとにご案内
合鍵を作ろうと考えている方にとっては、作成に掛かる時間も気になるポイントです。そこで本ページでは、鍵の種類や依頼する場所によって異なる、合鍵作成の所要時間をご紹介します。「とにかく急いで合鍵を作りたい!」「スピードは求めないので、確実に合鍵を作ってもらいたい・・・」など、自身のニーズに応じた業者に鍵作成を相談しましょう。
また、本ページでは合鍵の作成の方法や、出張鍵屋のプロが合鍵作成を行う様子もご紹介します。合鍵の作成を相談する先に迷ったら、24時間いつでもレスキューインフォにご相談ください。
目次
鍵の種類別・合鍵作成にかかる時間の目安
早速ですが、合鍵作成にかかる時間の目安を、鍵の種類別にご紹介していきます。
ピンシリンダーキー
鍵山のうち、片側にギザギザとした刻みが加工されているピンシリンダーキー。
一般の人がピンシリンダーキーの合鍵を作成するためには、手本となる元鍵のほかに「ブランクキー」と呼ばれる加工前の鍵や、鍵作成用のヤスリを用意する必要があります。これらが揃った状態であれば、器用な方なら30分から1時間ほどで鍵を完成させることができます。
ただし、鍵山の形にわずかなズレがあるだけで、合鍵では鍵を回すことができません。微修正を繰り返すうちに、合鍵が元鍵よりも小さくなったり、削ってはいけない部分を削ってしまったりすると、もう一度新しいブランクキーから作り直す必要があります。
鍵屋のプロは、キーマシンという特殊な機械を使うことで、およそ5分から10分でピンシリンダーキーの合鍵を作成できます。また、仮にキーマシンがなかった場合でも、技術のあるスタッフなら20~30分程度で合鍵を作ることが可能です。
ギザギザした鍵
鍵山の両側がギザギザしている鍵は、ディスクシリンダーキーやロータリーディスクシリンダーキーと呼ばれています。
合鍵を作る際には、完成品の見本となる元鍵と、それに対応しているブランクキー(刻み加工が施される前の鍵)、そして鍵用のヤスリが必要です。
一般の方がブランクキーを加工して合鍵を作るためには、1時間ほどの時間を要します。鍵を完成させることができます。ピンシリンダーキーと同様に、鍵山の細かな部分まで形状が一致していないと、鍵がきちんと回らない恐れがあります。
鍵屋のプロはキーマシンを使って、短ければ5分程度でギザギザした鍵の合鍵を完成させます。機械がない場合でも、ヤスリでブランクキーを加工すれば20分から30分程度で合鍵を作れるので、急いでいる場合にはプロに相談するのがスピーディーです。
ディンプルキー
表面に丸い凸凹とした刻みが加工されているディンプルキーは、ディスクシリンダーキーやピンシリンダーキーを上回る、レベルの高い防犯性で知られています。
表面に細かな加工があるディンプルキーは、ブランクキーとヤスリがあっても作成できません。そのため、一般の人が材料を揃えて、どれだけ時間を掛けても、ディンプルキーの合鍵は作れないのです。
一部の鍵屋のみが所有しているディンプルキー用のキーマシンを使用すれば、およそ10分で合鍵を作成することができます。ディンプルキーの合鍵を作るためなら、専門家やメーカーに依頼する以外に選択肢はないでしょう。また、メーカーに依頼するなら配送の時間も加味して考える必要がありますが、店舗式の鍵屋に持参するか、出張鍵屋のスタッフに来てもらうという方法もあります。
ウェーブキー
表面に波のような加工があるウェーブキーは、主に自動車やバイクの鍵として採用されています。自動車メーカー以外でこの合鍵を作成するためには、専用のキーマシンが必要なので、一般の人が合鍵作成をすることはできません。ウェーブキー用のキーマシンがあれば、5分から10分ほどで合鍵を完成させることが可能です。
イモビライザーキー・スマートキー
遠隔操作で開錠・施錠できるイモビライザーキーやスマートキーは、自動車や住宅・商業施設など様々な場所で用いられています。物理的な接触で開け閉めする仕組みではないので、これらの鍵を作るためには特殊な技術と専用の機械が必要です。
イモビライザーキーやスマートキーの合鍵作成に慣れている鍵屋のスタッフなら、機械部分の操作を行うことで、すぐに合鍵を作成できます。必要な部品・機材が揃っていれば、時間にして30分~1時間、長くても2~3時間で鍵の作成が可能。ただし、ドアが施錠されている状態だと、合鍵作成の前にドアを開けなければならず、その時間も必要となります。
合鍵を作成する場所別にかかる時間を解説
次に、合鍵作成を依頼する場所ごとの所要時間についてご紹介します。
ホームセンター
ホームセンターに鍵屋が併設されている場合、即日で合鍵を作成してもらえます。生活圏内のホームセンターに鍵屋があれば、そこに依頼できないか確認してみましょう。
ただし、ホームセンターによってはキーマシンが少なかったり、部品の取り寄せをする必要があったりする場合も。自分が希望している鍵の複製には時間が掛かるケースもあるため、気になる場合には直接問い合わせてみると確実です。
鍵屋さん
出張鍵屋に相談する魅力は、何と言っても短時間で現場にスタッフを派遣してくれることです。また、鍵屋のスタッフは車にキーマシンを積んでいることが多いため、簡単な合鍵なら10分程度で作成することができます。
わざわざこちらから出向く必要がなく、深夜や早朝に営業している鍵屋もあるので「なるべく短時間で合鍵を作りたい・・・」という方は、出張式の鍵屋に相談するのが一番です。
鍵メーカー
MIWAやGOAL・アルファなど、鍵を購入したメーカーに合鍵作成を相談するのもひとつの手です。純正の鍵を作ってもらえるので、クオリティの高い鍵を求める方にとってはオススメです。
鍵メーカーに合鍵作成を依頼すると、完成まで2~3日、長い場合には数週間かかることが一般的です。また、離島などの遠隔地だと、配送にもより長い時間を要することがあります。
さらに、合鍵を作るためには、購入時に付属していたセキュリティカード・セキュリティIDなどの情報が求められる場合もあります。これらがないと、元の鍵があったとしても合鍵が作れないことがあるので、紛失しないように大切に管理しておきましょう。
ディーラー
自動車やバイクなどの合鍵を作る場合には、購入したディーラーに相談するという方法も考えられます、メーカー純正の合鍵を作ってもらえるので、元の鍵と変わらない使い勝手が魅力です。
ディーラーに合鍵作成を依頼した場合にも、完成まで2~3日、長い場合には数週間を要することが一般的です。また、イモビライザーキーやスマートキーを製造するためには電子部品が必要となりますが、半導体などの材料が不足していると、完成までさらなる時間が掛かることもあります。
管理会社
賃貸住宅に暮らしていると、多くの場合で「住民が勝手に合鍵を作成してはいけない」と契約時に定められています。住宅はあくまでも大家さんや管理会社のものなので、借り手である住民が勝手に鍵を作るのはトラブルの元凶。どうしても合鍵を作る時には、大家さんや管理会社に許可を得ることが必要です。
大家さんや管理会社に合鍵作成を相談すると、短い場合には即日で鍵作成を行ってくれたり、もともと管理していた鍵をすぐに譲ってくれたりする可能性があります。
反対に、防犯性や安全性が高い鍵だったり、予備の鍵の用意がなかったりする場合には、合鍵を作成するのに時間が掛かるため、数週間程度を要することが一般的です。
インターネット
近年では、インターネットで依頼が完結する合鍵作成会社も増えています。自分がわざわざ出向く必要がなく、手軽に相談できることが人気の理由のようです。
ネットで依頼する合鍵会社の場合、完成までには1週間から10日程度を要し、長い場合には商品の到着まで数か月かかることもあるようです。サービスの仕組み上、これ以上の時間短縮は難しいため、急いでいる場合には鍵屋に持参するか出張鍵屋に来てもらう方が早くなります。また、純正キーに記載されている鍵番号がないと合鍵が作れない場合もあるので、自分の鍵が対応しているか確認する必要があります。
鍵屋のプロが実践!実際に合鍵を作成してみた様子
ここからは、鍵屋に在籍しているプロの錠前技師が、実際に合鍵作成する様子をご紹介します。
なお、合鍵の作成にはキーマシンを使用することが増えていますが、今回は初心者の方でも真似をしやすいように、キーマシンがない状況での合鍵作成を実演しています。
用意するのはブランクキーと金属用のヤスリ
合鍵を自分で作製するのに当たって、用意するのはブランクキーと金属用のヤスリです。
ブランクキーは刻み加工が施される前の鍵で、ホームセンター・鍵屋で購入できるほか、現在ではオンラインショップでも多くの種類が販売されています。ブランクキーの大きさや幅が元鍵と異なると、加工しても合鍵にならない場合があるので注意しましょう。
また、金属用のヤスリもホームセンター等で販売されています。ヤスリはひとつ数百円から数千円で購入可能ですが「合鍵作成用」の商品が見つかれば、それを選ぶと安心です。また、ヤスリの形状はさまざまですが、丸形だけでなく鋭利な角のある形状のヤスリを選ぶと、細部の加工もしやすいためオススメです。
手元の鍵と重ね合わせて、ブランクキーを削っていく
次に、ブランクキーを手元の鍵と重ねて削っていきます。作業前に、元鍵とブランクキーを重ね、削るべき部分に線を引いておくと分かりやすいでしょう。
また、ブランクキーはヤスリで削りやすいように、金属の中では比較的柔らかい「真鍮」という素材でできています。そのため、削ってはいけない部分にヤスリが当たると、くぼみや傷が付いてしまう恐れも。あわてず慎重に削り作業を進めることが必要です。
鍵が回るようになるまで、微調整を繰り返す
ブランクキーの形が元鍵にある程度近付いてきたら、2つの鍵を重ねながら微調整を繰り返していきます。また、完成に近いブランクキーを鍵穴に差し込んでみて、鍵表面に付いた傷を頼りにして形を整えることもオススメ。ヤスリを持つ手には強い力を入れず、優しく削っていくのがポイントです。
合鍵が完成!所要時間はおよそ30分
ブランクキーを差し込んで鍵が回るようになったら、合鍵の完成です!
今回、鍵屋のスタッフがゼロから合鍵を作るにあたって掛かった時間は28分52秒。およそ30分で合鍵を作れるという結果になりました。
なお、鍵のタイプや形状によっては所要時間が前後するほか、キーマシンを使用すればこれよりもさらに短時間で鍵を作ることができます。
合鍵を作成する方法3選とメリット・デメリット
ここからは、合鍵を作成する方法を3種類に分けてご紹介します。また、それぞれの方法のメリット・デメリットについてもご案内します。
①ブランクキーを削る
一つ目は、刻み加工が施されていない「ブランクキー」を用意し、元鍵と同じ形に削っていく方法です。
メリット:材料・道具を簡単に用意できる
ブランクキーを削って合鍵を作成するためには、完成形の手本となる元鍵のほかに、ブランクキーと金属用のヤスリが必要です。
いずれもネットショップやホームセンター・鍵屋に行けば数百円~数千円程度で購入でき、キーマシンなど高額な機械よりも手軽に揃えられるのが大きなメリットです。「自分で合鍵を作りたいけれど、なるべく費用を節約したい!」とお考えなら、ブランクキーから鍵作成をするのがオススメです。
デメリット:鍵を完成させるには、技術と時間が求められる
ブランクキーから合鍵を作ることのデメリットは、きちんと使える鍵を作るために、高い技術やある程度の作業時間を要することです。元鍵と0.1ミリ単位の誤差があるだけでも、ブランクキーを削って作った合鍵が使えないことも。微調整を繰り返すうちに鍵の大きさが変わってしまったり、残さなければいけない部分も削ってしまったりすると、また新しいブランクキーで作業をやり直さざるを得ません。
自分で合鍵作りをするのが不安だったり、なるべく短時間で鍵を完成させたかったりする場合には、出張鍵屋などに相談するのが賢明です。
②キーマシンを使用する
二つ目の方法は、合鍵を作成するための「キーマシン」と呼ばれる大きな機械を使用する方法です。
メリット:短時間で鍵を完成させられる
一般的なキーマシンには2本の鍵を置く場所があります。キーマシンの片側に完成形となる元鍵をセットし、まだ刻み加工が施されていないブランクキーをもう片側にセット。元鍵の形状を読み取りながらブランクキーを削るため、短時間で合鍵を完成させることが可能です。
基本的には5~10分ぐらいで合鍵が完成するため、鍵屋のスタッフの多くはキーマシンを使って合鍵作成をおこなっています。また、表面にくぼみのあるディンプルキー・波模様があるウェーブキーなど、最近ではキーマシンを使用しなければ作れない鍵も増えています。
デメリット:高価で大型なので、鍵屋でしか取り扱えない
キーマシンは安いものでも5万円前後、高価なものは数十万円以上にのぼるため、合鍵作成を仕事にしない限り、ご自身で購入するのは現実的ではありません。また、キーマシンは大型で置き場にも困るので、鍵屋でしか取り扱えないものがほとんどです。以上の理由からも、キーマシンがなければ作れない合鍵なら、あらかじめ用意のある鍵屋に相談するのがよいでしょう。
③鍵のメーカーに相談する
三つ目の方法は、鍵を製造しているメーカーに直接依頼する方法です。
メリット:純正の鍵を作成できる
MIWAやGOAL・アルファなど鍵のメーカーに直接相談することのメリットは、純正の合鍵を作ってもらえることです。
ホームセンターや町の鍵屋に作ってもらう合鍵と比較すると、純正の鍵は品質が高い傾向にあります。表面の摩耗にも強いので、より長く使い続けるためなら鍵のメーカーに相談するとよいでしょう。
デメリット:完成までに数週間単位で時間がかかる
鍵のメーカーに相談することのデメリットは、完成までに時間が掛かることです。出張鍵屋や店舗式の鍵屋だと、最短で即日完成させられる合鍵も、鍵のメーカーだと完成までに2営業日~数週間程度かかることもしばしば。鍵メーカーでしか作れない一部の合鍵を除いて、なるべく早く合鍵を作りたい場合、メーカーに相談するのは最適ではありません。
手元に鍵がない場合の合鍵作成の方法・所要時間
ここまで、合鍵の作り方やメリット・デメリットをご紹介しました。合鍵を作る際には、その見本となる元鍵が欠かせませんが「元鍵を紛失してしまった!」という場合もあるかと思います。
そこで最後に、手元に鍵がない場合の合鍵作成の方法や、それぞれに掛かる時間をご紹介します。
ブランクキーを鍵穴に差し込み、付いた傷から鍵の形状を調べる
手本となる鍵がない場合には、合鍵を作りたい鍵の鍵穴にブランクキーを差し込み、その表面に付いた傷跡から鍵の形状を調べる方法があります。必要なのはブランクキーと金属製のヤスリのみで、元鍵がない場合の合鍵の作り方としては最も手軽な方法です。
作成時間について、簡単な形状のピンシリンダーキーであれば最低でも1時間程度、ロータリーディスクシリンダーキーやディスクシリンダーキーだと2~3時間から半日程度は見込んだ方がよいでしょう。なお、ブランクキーに残った傷を頼りにしても、最終的に正解となる形状を突き止めるのは困難なので、失敗するリスクが大きいことは念頭に置いておく必要があります。
鍵穴をファイバースコープで照らして、鍵の形状を調べる
次に、ファイバースコープと呼ばれる道具で鍵穴の内部を調べて、鍵の形状を判断する方法があります。狭い場所や細かい場所を目視するのに便利なファイバースコープは、胃カメラなどの内視鏡検査に使われるものをイメージすれば分かりやすいでしょう。
ファイバースコープを使えば鍵穴内部の形状がすぐに分かるので、1~2時間程度で合鍵を作れるケースが一般的です。しかし、調べた鍵穴の形状と同じ形にブランクキーを加工するのは、思っている以上に難しいもの。鍵屋のスタッフが作業をする場合にも、この手法はあまり採用せず、次に紹介する「シリンダーを外す手法」が一般的です。
ピッキングで開錠後、シリンダーを取り外して鍵の形状を調べる
手元に鍵がない場合に合鍵を作る方法として、取り外したシリンダーを分解する手法も挙げられます。
鍵穴を構成している「シリンダー」という部品を分解すれば、明るい所で鍵穴の構造を調べられます。そして、そこから鍵の形も測定できるので、最短30分ほどで合鍵を作ることができます。
なお、もしも鍵が施錠されている場合、そのままシリンダーを取り外すことはできません。その場合には、合鍵を作り始める前にピッキングなどの手法で鍵を開ける必要があります。