2023/7/12 12:00

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就寝時に窓を開けたままにするなら、防犯対策を講じましょう

就寝時に窓を開けたままにするなら、防犯対策を講じましょう

夏の暑い日や換気をしたい日には、窓を開けたままで寝る方も大勢いらっしゃるようです。窓を開けておくと涼しい風が吹き込んでくるので、室内の快適さを保つことができますが、その一方で防犯対策がおろそかになってはいませんか?無施錠の窓が経路となって、空き巣犯や忍び込み犯が侵入してくるケースがあります。

就寝時に窓を開けたままにしたり、鍵を閉めずに寝てしまったりするのは、安全上の問題があるため注意が必要です。本ページでは、窓を開けたままにして寝ることの危険性や、過去に実際起こった事件の例についてご紹介。さらに、簡単にできる防犯対策も合わせてご提案しています。

窓を開けて寝るメリット

まず、窓を開けて寝ることのメリットについて確認しておきましょう。

快適な室温に保つことができる

窓を閉め切っていると室温が高くなってしまいがち。快適な室温に下げるためには、窓を開けて換気することがオススメです。特にアパートやマンションなど、天井があまり高くなく、出入り口の数が少ない住宅だと、窓を開けることで室温を調整しやすくなります。

風通しを良くして、空気がこもらないようになる

風通しを良くして、空気がこもらないようになる

窓を開けることで室温を下げられるだけでなく、風通しが良くなるため、室外の新鮮な空気を取り入れることができます。こもった空気の中にいると、息苦しくなったり具合が悪くなったりすることがあるので、定期的に窓を開けて換気することが大切なのです。

また、寒い季節に暖房を入れている時にも、30分に1度、5分ほどの換気を行うことがオススメです。換気をすることで空気中に漂っているウイルスを除去し、感染症の予防に効果があると言われています。

エアコンの電気代節約・空気の乾燥を防げる

窓を開けて寝ることで室温を下げられれば、エアコンを使用せずに済むため、電気代節約にも効果的です。最近の夏は寝苦しい夜が続きますが、窓を開ければエアコンを付けずに済むヒモあるでしょう。

エアコンを使用することで電気代が掛かるだけでなく、室内の空気が過度に乾燥する恐れもありますが、窓を開ければいずれの心配もいりません。熱中症には気を付けながらも、なるべくエアコンを付けないように努めている方も少なくないようです。

窓を開けっぱなしのまま寝るデメリット

では逆に、窓を開けっぱなしのまま寝ることのデメリットとは何でしょうか?

外の騒音が入り、うるさくて眠れないことがある

外の騒音が入り、うるさくて眠れないことがある

窓を開けっぱなしのまま寝ると、外の騒音がうるさいことがあります。

特に人通りが激しい繁華街の周辺の家や、幹線道路沿いの家になると、外が騒がしいことも日常茶飯事でしょう。

そのほか、線路沿いに立地している住宅では電車の通過音に、病院・消防署が近い住宅では救急車・消防車のサイレンに悩まされることがあります。

害虫や砂ぼこり・花粉などが入ってくる恐れがある

窓を開けたまま寝ていると、小さな虫が入ってくることもあります。虫が苦手な方にとっては、まさに死活問題だと言えるでしょう。網戸を閉めていれば、ほとんどの虫が入り込むことはありませんが、万が一のことを考えると窓も閉めた方が安心です。

また、砂ぼこりや花粉などの細かい粒子は、網戸の隙間から簡単に入り込んでしまいます。ご自身だけでなく、同居しているご家族・ペットなどのアレルギー反応を引き起こす可能性もあるので、砂ぼこりや花粉を入れないためには窓を閉めて寝ることが賢明です。

窓が無施錠のままになり、安全性が下がる

窓が無施錠のままになり、安全性が下がる

窓を開けたまま寝るということは、鍵を施錠しない状態で、朝までの長い時間を過ごすということです。そして、開いたままの窓は窃盗犯のターゲットになることが少なくありません。窃盗犯は人目を避けて犯行をやり遂げようとするので、すぐに室内に入れそうな無施錠の窓は狙い目になるのです。

また、犯人と鉢合わせしてしまうと、窃盗被害だけでなく暴力被害を受ける可能性もあります。これによる恐怖や、精神的なショックも計り知れないものがあるはずです。心身の危険から身を守るためにも、無施錠のまま眠ることはオススメできません。

窓を開けて寝るのが危険な理由

ここまで、窓を開けて寝るデメリットについてご案内しました。窓を開けたままにして眠ることの危険性について、もう少しご紹介していきます。

カーテンが揺れて室内が見えてしまう

窓を開けて寝ていると、風でカーテンが揺れ、室内の様子が外からも垣間見えてしまいます。部屋の間取りや住人の様子が外から分かるので、侵入しようとしている不審者がいた場合、情報を与えることになり危険です。

窓を閉めることに加えて、外から様子が見えないようにするために、カーテンやブラインドなどを取り付けておきましょう。目隠し用の柵を設けたり、雨戸やシャッターを閉めたりしておくことも効果があります。

部屋への侵入が簡単にできてしまう

空き巣犯・忍び込み犯の侵入経路の中でも、無施錠の窓からの侵入は割合の上位を占めています。

窓は透明なので、玄関や勝手口と違って施錠されているかどうかが一目で分かるもの。そのため、無施錠の窓は短時間で侵入するルートとして打ってつけなのです。

窓から室内のモノが盗まれてしまう

窓から室内のモノが盗まれてしまう

窓が開いていると、窓際に置いているものが盗まれやすいことにも気を付ける必要があります。バッグや財布・スマートフォンから、下着・靴・貯金箱まで、さまざまなものが盗難被害に遭う恐れがあります。

人が通れない幅の格子が設けられていても、窓の外から手を伸ばせば盗める大きさのものには特に注意が必要。外から手の届く範囲には、貴重品などを置かないように気を付けましょう。

ベランダが無くても、タワーマンションでも窓を開けて寝るのは危険

ここまで、無施錠の窓を狙った侵入・窃盗犯の危険性についてご紹介しました。このような犯罪のリスクは地上階・低層階に多いと思われがちですが、実は上層階の部屋を狙う犯行も少なくありません。

「無施錠」の窓・ドアを狙って侵入する手口が最も多い

「無施錠」の窓・ドアを狙って侵入する手口が最も多い

警察庁が「住まいる防犯110番」で公開しているデータによると、令和3年の侵入犯罪で最も多いのは、無施錠の場所を狙った手口です。

無施錠の場所から犯人が侵入した事例は、戸建て住宅での被害件数の約55%を占めています。これはガラスを割ったり、合鍵を不正に手に入れたりする手法より圧倒的に多く、ドアや窓を無施錠のままにしておく危険性がデータでも証明されています。

上層階の部屋であっても、無施錠の窓やドアが狙われている

上層階の部屋であっても、無施錠の窓やドアが狙われている

「私の部屋はマンションの10階だから、窓を開けて寝ても大丈夫!」とお思いの人は要注意!上層階の部屋でも、無施錠の窓やドアを狙って侵入する犯行の例が、全国各地で報告されています。

例えば、エレベーターや非常階段を使用して屋上に上がり、下のフロアのベランダに侵入する手法です。ロープや手すりなどを伝いながらベランダに入り込み、無施錠の窓を狙って侵入する模様です。むしろ上層階であるほど人目に付きにくい立地のマンションもあり、住んでいる部屋の階数に関わらず注意しなければなりません。

防犯のため、外出時・就寝時には施錠するのが原則

このような事例から分かることは、住んでいるフロアに関わらず防犯意識を持ち続けることの大切さです。たとえ何階に住んでいたとしても、外出時・就寝時には施錠することが鉄則。複数の鍵を設置する「ワンドア・ツーロック」を、窓に対しても実践することが理想的ですが、1つの鍵を施錠することも、無施錠のままでいるよりは大きな効果を持ちます。

窓を開けて寝ている時に起こった事件

ここからは、窓を開けている時に起こった事件を紹介します。

無施錠の窓が犯人の侵入経路となった連続窃盗・婦女暴行事件

西東京市のアパートに侵入して現金を盗み、部屋に住む女性を乱暴した自称アルバイトの男が、2011年8月に逮捕されました。男は、30代女性が住むアパート1階の部屋に無施錠の窓から侵入。現金およそ15万円を盗んだほか、この部屋で眠っていた女性に刃物を突き付けて乱暴した模様です。

現場周辺では同様の婦女暴行事件が連続して発生していて、その手口から同じ男が関与した疑いがあります。被害に遭った女性が精神的に受けたダメージは計り知れません。無施錠状態で就寝することの危険性が分かる事件となりました。

無施錠の高層階の部屋が相次いで狙われた「クモ男」事件

2017年8月には、マンションの高層階を狙って室内に侵入する窃盗を繰り返したとして、大阪府東大阪市に住む無職の男が逮捕されました。男は元大工で、滑り止めの付いた手袋を付けて、ベランダの手すり・雨どいなどを伝ってマンションの上層階の部屋に侵入していた模様です。

捜査員の間では、その侵入の手口から「クモ男」と呼ばれていたこの男。捜査に対して「5階以上の部屋のベランダは無施錠が多い」と発言していたとのことです。上層階であっても油断できないばかりか、むしろターゲットにされる事例もあると判明しました。

窓を開けて寝るための防犯対策・3選

ここまで、窓を開けて寝ることの危険性をご説明しました。「それでも、寝る時には窓を開けていたい!」という場合には、以下のような防犯対策を講じるのがオススメです。

①窓に補助錠を設置して、不審者の侵入を妨げる

窓に補助錠を設置して、不審者の侵入を妨げる

窓に内側から取り付ける簡易的な補助錠は、100円ショップやホームセンターでも購入することができます。代表的な商品は、サッシ部分に強力な粘着テープで貼り付けるタイプの補助錠。貼り付ける場所に応じて、施錠時に窓を開けられる幅が変えられるので「5センチだけ窓を開けて寝たい・・・」という希望を叶えることができます。

その他、クレセント錠を覆うように取り付ける補助錠・ネジで止める補助錠など、さまざまなタイプがあります。手軽に取り付けられる反面、長期間にわたって使用したり、強い力でこじ開けようとしたりすると、外れてしまうことがある点に注意が必要です。

②面格子・通気シャッターを取り付ける

面格子・通気シャッターを取り付ける

浴室やキッチンの窓に取り付けられていることが多い面格子も、防犯対策には効果的です。外すためにはかなりの時間が掛かるので、窓が無施錠でも侵入されるリスクを減らすことができます。一方、面格子を取り付けると自分も出入りできなくなるので、設置の際は慎重に検討しましょう。

閉めた状態でも風を通すことができる通気シャッターは、中の様子が見えにくい構造なので、新築住宅にも多く採用されています。補助鍵と比べると取り付け費用が高額になるので、予算を踏まえて設置を検討しましょう。

③センサーカメラやライト・防犯ブザーを設置するのは、犯罪抑止にも効果的

センサーカメラやライト・防犯ブザーを設置する

窓の外に取り付けるセンサーカメラやライト・防犯ブザーなども、近年ではホームセンターやネットショップで市販されています。これらの設備は、侵入犯罪が発生した際の犯人特定に役立つだけでなく、犯行の抑止にも有効。建物全体の防犯対策が充実していることを周囲にアピールできれば、不審者を寄せ付けない効果を期待できます。

100均で買える窓を開けて寝るための防犯グッズ

シャッターや防犯カメラなどの設置は、セキュリティ対策に効果をもたらしますが、設置のためには手間やコストが掛かります。そこで最後に、100円ショップでも購入できる「窓を開けて寝るための防犯グッズ」をご紹介します。

サッシ用補助錠 窓ロック

一般的な引き窓に取り付ける補助錠としてオススメなのが、サッシの隙間に差し込むタイプの商品です。隙間に差し込んでツマミ部分を回すことで、窓をスライドできないようにロックすることができます。

補助錠とサッシが接する部分はゴム素材で、窓をスライドしようとしても、圧着していて開けられない仕組みです。無施錠で簡単に侵入できる窓を狙った空き巣犯を撃退するために、ある程度の効果を期待できるでしょう。

窓・ドア用 防犯・警報ブザー

工具不要で簡単に取り付けられる防犯ブザーも、防犯グッズとして人気のあるアイテムです。窓に設置し、電源を入れた状態にしておくと、強い衝撃を受けた時にブザーが鳴動する仕組み。侵入犯は大きな音を嫌うため、このブザーが鳴ってしまったら侵入は断念せざるを得ないでしょう。

使わない時には電源を切ったり、電池を抜いておいたりしておけばよいので、必要に応じて設置できる点も魅力的です。

防犯ダミーカメラ

本物の防犯カメラを100円で購入することは難しいですが、ダミーの防犯カメラなら100円ショップでも手に入れることが可能です。最近では、配線やLEDライトが付いているダミーカメラも販売されており、安っぽい印象とは程遠くなっています。

このダミーカメラを夜間に遠くから見たら、本物のカメラと区別するのは非常に難しいものです。これを設置しておけば、不審者の侵入抑止にも効果を持つことでしょう。

一人暮らしの女性で窓を開けて寝る際は特に注意しよう

窓を開けたままで寝ることで、防犯対策がおろそかになることのリスクをご紹介しました。住んでいる部屋が上層階であったとしても、就寝時には窓を施錠することを意識しましょう。特に一人暮らしの方の女性の部屋が狙われるリスクが高いため、窓を閉めて寝るのが重要です。

「それでも窓を開けて寝たい!」という方は、簡単なことでも防犯対策を講じることがオススメです。不審者による侵入を防ぐことで、就寝時の安心を守りましょう。

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