鍵の抜き差しに違和感があるなら、シリコンスプレーを使わない解決法が必要です
同じ鍵を長年使用していると、だんだんと抜き差しがスムーズではなくなることがあります。そんな時、ご家庭の「シリコンスプレー」という潤滑剤を使用してはいませんか?シリコンスプレーは便利な反面、その種類によっては鍵穴に適しておらず、確認せずに使うとトラブルを招く恐れもあるので注意しましょう。
同じ鍵を長年使用していると、だんだんと抜き差しがスムーズではなくなることがあります。そんな時、ご家庭の「シリコンスプレー」という潤滑剤を使用してはいませんか?シリコンスプレーは便利な反面、その種類によっては鍵穴に適しておらず、確認せずに使うとトラブルを招く恐れもあるので注意しましょう。
目次
シリコンスプレーとは?
そもそも、シリコンスプレーとはどのような商品かを解説します。
物質の表面にシリコンの被膜を作る「シリコンスプレー」
シリコンスプレーとは、吹きかけた物質の表面にシリコンという成分の被膜を作るスプレーです。ホームセンターやスーパーマーケットなどで販売されているほか、ネットショップでも数百円から数千円で購入することができます。また、大きさもさまざまな商品が生産されており、小さなものでは100mlほどから、大容量タイプだと1,000mlほどの商品も販売されています。
防水・撥水効果やツヤ出し効果、滑りを良くする効果がある
被膜を作るシリコンスプレーには防水・撥水効果があり、雨傘やバッグ・スニーカーなどに使用することができます。また、プラスチック製品・木材のツヤ出し用途に使う方もいらっしゃいます。
さらに、引き戸や引き出しなどスライドさせる接触部分にスプレーすると、その滑りを良くすることができます。バイクや自転車のチェーン・椅子のキャスター部分・カーテンレールなど、さまざまな場所で使用できることから、その用途の幅広さも人気となっています。
無溶剤と石油系溶剤、2種類のシリコンスプレーがある
シリコンスプレーを大きく分けると、無溶剤と石油系溶剤の2種類のタイプがあります。
無溶剤のシリコンスプレーはプラスチックやゴム・塗料を傷めずに使用することができるので、ツヤ出し目的で幅広く使用できるのがメリットです。対して石油系溶剤のシリコンスプレーはわずかな隙間へも浸透しやすいため、金属のサビ予防・潤滑性アップに効果的。その効果が異なるため、用途や目的に合ったシリコンスプレーを選ぶことが重要だと言えます。
シリコンスプレーの便利な使い方
ここまで、シリコンスプレーとはどのような商品か解説しました。潤滑やツヤ出し・防水効果のあるシリコンスプレーですが、具体的にはどんな場所に使う方が多いでしょうか?
滑りの悪い引き出し・サッシをスムーズに動かせる
シリコンスプレーを潤滑剤として用いることは、メーカーからも推奨されている使用法です。具体的には、引き出しやサッシなど滑らせて使用する道具の全般について、そのレール部分にスプレーするだけです。他にも、椅子のキャスター部分・カーテンレール・ハサミのネジ部分などに使用することができます。
滑りが良くなるということは、人が踏んでしまうと滑って転倒する恐れもあるため、足元にスプレーする際には注意が必要です。噴射しすぎてしまった場合には、薄めた中性洗剤・専用のクリーナーを含ませた布で拭き取るようにしましょう。
バイクや車・自転車など金属部品の防サビに使用できる
金属の錆びを予防するためにシリコンスプレーを使う方法も挙げられます。バイクや自転車のチェーンに噴射することで、金属同士のこすれる不快な音を出なくするほか、サビ付き防止にも効果的。もちろん、チェーン部分の滑りを良くする効果もあるので、定期的にメンテナンスをする際にシリコンスプレーを吹きかけるのがオススメです。
事前にスプレーしておけば、シールや糊がはがれやすくなる
あまり知られていないシリコンスプレーの用途として、シールや糊などのはがし剤としての使い方があります。一時的に貼り付けたいシールがある際には、あらかじめ貼る場所にスプレーしておくとよいでしょう。
また、小さなお子様が暮らすご家庭では、お子様のイタズラ防止のために、ドアや壁などに薄くスプレーしておくのもオススメです。室内でシリコンスプレーを使う場合には、直接吸い込まないようにマスクなどを着用し、換気しながら作業しましょう。
シリコンスプレーを使ってはいけない場所とは?
では反対に、シリコンスプレーを使ってはいけないのはどんな場所でしょうか?使用時に気を付けるべき点と合わせてご紹介します。
溶剤を含むシリコンスプレーは、紙や木材を変色させる恐れがある
シリコンスプレーにはいくつかの種類がありますが、溶剤を含むタイプの商品は、紙や木材に染み込んでしまう恐れがあります。吹きかけた部分を変色・変質させてしまうので、使用は避けるようにしましょう。
スプレーの溶剤や化学的な成分を確認しなくても、商品の裏面やパッケージの写真・注意書きなどを参考にすれば、どのスプレーが用途に合っているか調べることができます。
人が通る場所にシリコンスプレーを使用すると、滑る危険がある
シリコンスプレーは潤滑剤として使用できることをご紹介しましたが、それはすなわち、人の足元を滑らせる危険も含むことを意味します。ふすまやサッシ・スライドドアなどにスプレーする際には、多くかけ過ぎないように注意しましょう。
もしスプレーしすぎてしまったと思ったら、薄めた中性洗剤を含ませた布で拭き取り、乾くまで待つようにしましょう。また、スプレー専用の除去剤も販売されているので、万が一あまりにも多く使用してしまった場合には、このような商品を使うのもオススメです。
鍵穴に付いたシリコンスプレーの油膜が、ホコリを固めるリスクもある
シリコンスプレーは金属の滑りを良くするためにも使用できますが、鍵穴に使うのは危険です。なぜなら、鍵穴の中でスプレーの成分がホコリやゴミを固め、異物として残ってしまう恐れがあるからです。
同様の理由で、鍵にもシリコンスプレーを吹きかけるのはオススメできません。鍵の滑りが悪くなった時の対処法については、次の項目でご紹介します。
鍵の滑りが悪くなったら?すぐにでもできる対処法
鍵穴にシリコンスプレーを使うと、油膜でホコリが固まる恐れがある危険性をご紹介しました。では、鍵の滑りが悪くなったらどのようにケアすればよいでしょうか?
まずは、鍵や鍵穴に付着した汚れをきれいにしましょう
外気に触れている鍵や鍵穴には、砂やホコリなどの汚れが蓄積しています。そこで、鍵と鍵穴のそれぞれについて、その汚れを綺麗にすることが必要です。
鍵穴には、掃除機をオンにして吸い取り部分を近付けることで、中の細かなゴミを吸い出します。これは、パソコンなどの精密機器の汚れを吹き飛ばすエアダスターでも代用することができます。
鍵は、歯ブラシや古いタオルなどを使用して、表面の汚れを取り除きます。鍵山やくぼみの部分にはゴミが溜まりやすいので、入念にお手入れするようにしましょう。
シリコンスプレーの代わりに、専用スプレーや鉛筆の黒鉛を使う
市販のシリコンスプレーを鍵穴に差すのは、内部でホコリが固まる可能性があるので大変危険です。その代わりに、油の含まれていない鍵穴専用のスプレーを使用しましょう。スプレーは鍵メーカーが販売しているほか、ホームセンター・通販サイトなどでも購入することができます。
また、鉛筆の黒鉛部分にも鍵の潤滑を良くする成分が含まれているので、スプレーを鉛筆で代用することも可能です。鍵の表面をまんべんなく鉛筆でなぞった後、鍵穴に抜き差しすれば、その効果をすぐに実感できます。なお、鍵の表面に付着しすぎた黒鉛は、キーケースや衣類を汚してしまう恐れがあるので、軽く拭き取っておくと安心です。
鍵穴に、爪楊枝や針金など細長いものを差し込むのは危険
鍵穴の中にゴミが溜まっているからといって、先が細い爪楊枝や針金などを差し込もうとしていませんか?このような行為は、爪楊枝や針金の先端部が折れてしまうと取り出せなくなるため、大変危険です。
上で紹介したように、掃除機やエアダスターを使用してゴミを除去するようにしましょう。それでもゴミが取り出せない場合には、鍵屋のスタッフに相談して、シリンダーを外したり専用の道具を使用したりする必要があります。
鍵穴にシリコンスプレーを使ってしまった時の対処法
では、もしも鍵穴にシリコンスプレーを使ってしまったのなら、どのようにメンテナンスすればよいでしょうか?
自分でシリンダーを外し、固まった油やホコリを掃除する
最も単純な方法としては、鍵穴部分であるシリンダーを自分で外して、内部に固まっている油分・ホコリを取り除く手段が挙げられます。シリンダーを取り外すためには、ドア側面の金属プレートをドライバーで取り外し、シリンダーを固定している細長いピンを抜く必要があります。
施錠時にシリンダーを外すことはできないため、手元に鍵がない場合・そもそも鍵が故障していて開かない場合などは、鍵を開錠する作業が優先です。もしも自分でシリンダーを外すのが難しそうだと感じたら、出張鍵屋のスタッフに相談すると安心です。
出張鍵屋に相談し、鍵穴のメンテナンスに来てもらう
レスキューインフォに相談すれば、鍵のメンテナンスに駆け付けてもらうことができます。トラブルの原因ごとに最適な解決策で、鍵の使い勝手を元通りに戻してもらうことができるでしょう。
注意すべきは、地域の出張鍵屋は複数あるので、その中からベストな鍵屋を選ぶのが難しいという点。鍵屋の選び方のポイントについては、次の項目でご紹介します。
鍵穴のメンテナンスを相談するなら、どんな鍵屋を選べば安心?
最後に、滑りにくくなった鍵や鍵穴のメンテナンスを相談する会社について、その選び方のポイントをご紹介します。
ポイント① 業者の営業時間
まずは鍵屋の営業時間です。依頼したい時間にも相談を受け付けているかを、ホームページやチラシなどから確認しておきましょう。最近では24時間営業している鍵屋も増えていますが、このような鍵屋なら休日・夜間なども作業依頼を受けてもらえます。時間を気にせず相談できるので、このような鍵屋に相談するのもオススメです。
ポイント② スタッフの活動エリア
「鍵穴 メンテナンス ○○(地域名)」などのフレーズで検索してみて、上位に表示された会社であれば、より短時間で現在地へスタッフを派遣してもらえる可能性が高くなります。また、鍵屋のホームページに掲載されている「出張エリア表」などを参考にすれば、出張に掛かる料金や時間の目安などを確認できます。
ポイント③ 鍵穴をメンテナンスしている実績があるか
鍵穴のメンテナンスと一口で言っても、トラブルの原因を究明・分析し、それに合った手段で対処しなければならず、決して簡単な作業ではありません。かなりの経験が求められるため、鍵穴のメンテナンス作業の実績が多い鍵屋かどうかを調べておきましょう。ホームページや口コミサイト・SNSなどを参考にして、作業の実績を確認しておくのが理想的です。
ポイント④ 鍵穴メンテナンスの作業に掛かる費用
最後に、鍵穴のメンテナンス作業に掛かる料金についてもチェックしておきましょう。こちらも、口コミサイトやSNSなどを参考にするほか、ホームページに掲載されている料金表も判断材料にすることができます。
あくまでもこれらの費用は目安なので、依頼したスタッフの方が到着したら、作業前に見積もりを出してもらいましょう。あらかじめ費用について説明を受けておくことで、金銭面のトラブルを予防できます。