窓の鍵の種類や交換方法、防犯や子どもの対策などを解説
「窓の鍵が壊れたから交換したい」「防犯や子どものことを考えた対策をしたい」などのお悩みをお持ちではないでしょうか。
そこで、窓の鍵の種類や交換方法、防犯や子どもの対策などについて解説します。必要な箇所はもちろん、気になる箇所もぜひ見てみてください。
目次
窓の鍵の種類
窓やサッシの鍵は
- グレモン錠
- クレセント錠
が主に使用されています。
グレモン錠
グレモン錠とは、ハンドルの操作でロックがかかったり、解除されたりする鍵のことです。ハンドルを動かして開け閉めするので、鍵というよりもドアノブと同じような感じを覚える方が多いと思います。
ドアノブや通常の鍵に比べて、グレモン錠は密閉性が高く、風や音をブロックする力が強いです。なので、カラオケボックスや高層マンションなどで使われています。
クレセント錠
三日月の形をした窓の鍵をクレセント錠と言います。クレセント錠はグレモン錠の1種で、レバーを動かすことでロックを操作することが可能です。グレモン錠と同様、気密性や密閉性に優れています。
グレモン錠よりもコンパクトな作りになっているため、住宅の窓に使われることが多いです。
今回はこのクレセント錠にフォーカスを当てて、交換方法などを解説していきます。
窓の鍵(クレセント錠)を自分で交換する方法
クレセント錠が壊れたり、防犯性を高めたりする時に交換を行うと思います。
ここではクレセント錠を購入するところから実際の交換作業まで解説しますので、交換時の参考にしてください。
クレセント錠のサイズを測る
クレセント錠を交換するにあたり、今付いている鍵のサイズを測る必要があります。同じサイズでないと新しく穴を開けるなどの手間が増えるので、しっかりと確認しましょう。
- ①クレセント錠と窓枠を固定しているビスの距離(ビスピッチ)を測ります。
- ②クレセント錠のフック部分の一番長い場所からビスピッチの縦軸までの距離を測ります。
- ③窓枠とクレセント錠の接点から、クレセント錠のフック部分の端までの距離を測ります。
クレセント錠を購入する
先ほど測った数値に適したクレセント錠を購入します。ホームセンターやインターネットで購入することができますが、欲しい数値が記載していないこともあるので、ホームセンターで実際に測りながら購入するのが良いです。
メーカーや型番、サイズを把握していれば、インターネットで同じ製品を買って交換するという手もあります。
クレセント錠を交換する
適したサイズのクレセント錠を購入したら、交換作業を行います。失敗すると窓を外さなくてはいけないことになるので、十分注意して作業を行ってください。
1プラスドライバーを用意します。
2クレセント錠の上のネジを完全に外します。その後、クレセント錠の下のネジを軽く緩め、クレセント錠をずらします。
3上のネジを再度取り付けます。この時、クレセント錠には通さなくて大丈夫です。
4下のネジを外し、クレセント錠を取ります。
5新しいクレセント錠を取り付け、下のネジで固定します。
6上のネジを外し、クレセント錠を正しい位置に持ってきて、上のネジで固定して作業完了です。最後に動作チェックを行ってください。
ネジを両方一気に外してしまうと、窓枠の裏にある板が外れてクレセント錠が取り付けられなくなります。落下した場合は自分で窓を外すか、サッシ屋さんなどを呼びましょう。
窓の鍵(クレセント錠)が壊れた・調子が悪い時の修理方法
クレセント錠が壊れたり、調子が悪かったりした時の修理方法をご紹介します。
症状別に解決方法を記載していますが、直らないこともあるので、その場合はクレセント錠を交換してください。
クレセント錠のかみ合わせが悪い
クレセント錠を動かす時に噛み合わせが悪く、うまく回りにくい場合は、クレセント錠や受けの部分を調整しましょう。
1クレセント錠のネジを上下とも軽く緩め、クレセント錠の高さなどを調整します。
2クレセント錠の受けの部分のネジを緩め、位置を調整します。
うまく噛み合うところでネジを固定してください。
クレセント錠の動きが悪い
クレセント錠の動きが悪い場合は、ゴミなどが溜まっていたり、潤滑機能が落ちていたりする可能性があります。
1クレセント錠を窓枠から外します。外し方はこちらで紹介しています。
2クレセント錠や受けのよごれをきれいな布などで拭きとります。
3シリコンスプレーなどをクレセント錠に吹きかけます。
4クレセント錠を元に戻して作業完了です。
シリコンスプレーは塗装を剥がしたり、シミになったりする可能性があるので、汚れても良い布の上などで行ってください。
クレセント錠が空転する時はバネを交換する
クレセント錠を使っていて、手ごたえがなくなるなどの症状があった場合はバネの故障が考えられます。
1クレセント錠を外します。外し方はこちらで解説しています。
2クレセント錠に付いているバネの長さと直径を測り、同じものを購入します。ホームセンターやメーカーの専用ページ購入可能です。
3バネを交換し、クレセント錠を取り付けたら作業完了です。
窓の鍵(クレセント錠)の防犯対策について
令和4年に発生した侵入窃盗の内、37.0%が窓から侵入して犯行に及んだという結果が警察庁から出ています。これは玄関などの表出入口の36.0%を抑えて一番多いです。
窓は防犯において脆弱なので、防犯対策を行い、空き巣などの侵入を防ぎましょう。
窓の鍵をかける
鍵をかけていない窓から侵入する手口は、窓からの侵入の38.2%を占めます(令和4年)。
まずは鍵をかけることから始めましょう。留守中はもちろん、在宅時も鍵をかけてください。
過去には、開いている窓から女性の姿が見えたという理由から住居に侵入するという犯行も発生しています。
リビングのような大きい窓はもちろん、トイレなどの小窓からも侵入してきますので、可能な限り窓の鍵をかけるように努めてください。
窓に補助鍵を付ける
鍵をかけても、ガラスを破られてしまえば、簡単に窓の鍵を開けられてしまいます。そこで役に立つのが補助鍵です。
補助鍵を付けることで開ける箇所や手間が増え、侵入されるまでの時間を稼ぐことができます。
また、窓を途中までしか開けなくすることもできるので、換気と防犯を兼ね備えた状態で過ごすことも可能です。
種類によって機能や防犯性が異なります。のちほど詳しくご紹介しますので、気になる方はチェックしてみてください。
窓ガラスを防犯仕様にする
窓ガラスを割られなければ、鍵を開けられることはありません。その状態に近づけるには、窓ガラスを防犯仕様にしましょう。
防犯ガラスに交換したり、防犯フィルムを貼ったりすると、ガラスが割れても飛散しなくなるので、手や工具などを入れられる穴を作らせません。
厚みなどによって耐衝撃機能が異なりますので、CPマークの有無などを参考に製品を選んでください。
格子やシャッターを付ける
窓に体が入らなければ侵入することができません。そこで有効になるのが格子やシャッターです。体が入らないようにブロックしてくれますし、シャッターなら窓ガラスを割られることも防げます。
格子はネジが外側にあると外れてしまう可能性があるので、ネジ山を潰したり、埋めたりして外されない対策を取りましょう。
子どもが窓の鍵(クレセント錠)を開け閉めしないための対策
子どもが窓の鍵をかけてベランダに締め出されたり、勝手に鍵を開けてベランダから転落したりする事故が発生しています。
悲惨な事故を避けるためにも、クレセント錠などに対策をしましょう。
補助鍵を付ける
補助鍵をストッパー代わりにして窓を開かないようにしたり、完全に窓が閉まらないようにしたりする対策方法です。
窓を開けさせない時には窓の中央に近い部分、窓を閉めさせない時には窓が閉まる部分に補助鍵を付けましょう。この時、窓の上の方に取り付けて、子どもの手が届かないようにします。
毎回取り外すのが面倒な場合は、両面テープで取り付けるストッパータイプを常時窓の中心に、レールに固定するタイプを外へ出る時だけ窓の閉まる側に取り付けるのが良いです。
洗濯バサミを窓に付ける
締め出しに遭わないためには、窓を閉められないようにすることが大切です。なので、窓の開いている側に洗濯バサミを挟んで、完全に閉まらないようにしましょう。
洗濯バサミは挟みやすいように大きく、窓が閉まった時の衝撃に耐えられる素材であることが望ましいです。
ベビーゲートなどを取り付ける
子どもが鍵や窓に近づくことができない状態を作れば、締め出しなどに遭わなくなります。
なので、ベビーゲートを窓の近くに設置して、子どもが窓に触れない状態を作りましょう。
ただ、子どもが大きくなるとゲートを超えたり、倒されたりする可能性もあるので、年齢に合わせて対策を変えるのが良いです。
窓に後付けできるストッパーや補助鍵の種類
防犯対策や子どもの事故防止などで窓の補助鍵を付けるとします。ただ、種類がたくさんあってどれを選べば良いのか分からなくなりやすいです。
なので、補助鍵の種類とそれぞれの特徴を解説します。
レールに固定する補助鍵
窓のレールに取り付け、ツマミを回して固定するタイプの補助鍵です。100均などでも販売されているので、初めて使ってみる方におすすめします。
ツマミを回すだけで付け外しができるので、窓ガラスを割られてしまうと簡単に外されてしまいます。窓ガラスを開ける範囲や時間を増やすことはできますが、長時間の耐久性は持ち合わせていません。
レールに固定する鍵付きの補助鍵
先ほど紹介したツマミを回してレールに固定するタイプの補助鍵に、キーの機能が付いたものです。ツマミの部分がキーとなっており、外すとロックを解除できなくなります。
キーを外した状態なら、外から補助鍵を外すことが不可能です。窓ガラスを体が入るくらい大きく開けなければいけなくなるので、時間稼ぎや犯行を諦めさせることができます。
キーが無ければ外れないので窓からの外出も防ぐことができますが、紛失すると大変なので管理はしっかり行いましょう。
鍵付きのクレセント錠
クレセント錠にキーが付いているタイプの補助鍵です。クレセント錠を動かすには、キーでロックを解除する必要があります。
ロックがかかった状態なら外からも内からもクレセント錠を動かすことができないので、空き巣対策や子どもの飛び出し防止などに有効です。
取り付けるには、今付いているクレセント錠を交換する必要があるので、サイズが合わないといけないですし、交換作業も行わなくてはいけません。
両面テープで取り付ける補助鍵
両面テープで窓枠に取り付けるタイプの補助鍵です。ストッパーが起きると窓がロックされて開かなくなり、ストッパーが平らになると窓が開く仕組みになっています。
取り付ける位置によっては、少しだけ窓を開けた状態にできるので、換気しながら防犯や飛び出しの防止を行うことが可能です。
ただ、強く引っ張れば外れてしまうので、防犯性としてはそこまで高くありません。
両面テープで取り付ける鍵付きの補助鍵
両面テープで窓枠に取り付ける補助鍵に、キーとロック機能が搭載されたものになります。ストッパーをスライドさせて窓の開く範囲を設定するので、完全に閉め切るところから少しだけ開ける、大きく開けることまで可能です。
キーで解錠しないとストッパーが動かないので、飛び出し防止や空き巣対策にも効果を発揮します。両面テープだと剥がされてしまうので、不安な方はネジ式にするのが良いです。